fusachikoの日記

会社を辞めて、外国へ。

「日本語を話す日本人の見た目の人」が日本人とは限らない

 前にオーストラリア人が白人の見た目をしているとは限らないって話を書いた。

fusachiko.hatenablog.com

 

日本には「日本人の見た目じゃない日本人」がいないから、「アジア人の顔を持つオーストラリア人」というのがどうにも不思議な気がしてしまうけど、よく考えると日本にも見た目と国籍が一致しない人たちがいる。日本人みたいな外国人、いわゆる「在日」だ。

 

シドニーに来て、韓国語の名前を名乗る在日韓国人の子に会った。生まれ育ったのは日本で、日本語が母国語で、日本では日本名を使っていたという彼がオーストラリアで韓国語の名前を名乗る理由はわからないけど、少なくとも日本で韓国名を使ったら、不便が多そうなのは想像できる。

 

わたしの父の最初の記憶は「姉に手を引かれて防空壕に逃げ込む記憶」だそうで、要は戦時中の生まれだ。そんな父は、在日含む韓国人が大嫌いで、結婚相手に韓国人を連れてきたら許さないと宣言されたこともある。わたしには在日韓国人の友達がいるし、こうして外国で生活するなかで韓国人の友達もできた。だから父のこの意見は大嫌いだけど、喧嘩になるからだいたい途中で「この話やめよ!」と切り上げる。

 

反論を試みたことは何度かあるけど、どうやら韓国人を嫌うのは理屈じゃない。嫌な体験をしたことがあるのかどうかは知らないけど、凄惨な時代を生き抜いてくるなかで植え込まれた価値観なんじゃないかと思っている。たぶん、父の世代の一般的な価値観ではないか。

 

だから日本で在日韓国人の話が公に話される機会は少ないし、あったとしても否定的な話題が多い。でも、黒人をひとくくりに怖い人たちとまとめられないように、在日だからろくでもないなんて、絶対にひとまとめにしてはいけない。

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父の世代の人たちが在日や韓国人へのイメージを変えることは限りなく不可能だと思うけど、わたしたち世代なら、先入観なく、きちんと自分の目で判断できるはず。そういう目を養うためにも、海外留学は若いうちにすべきだと思う。外国人だらけの海外で出会うアジア人への親近感は、それこそ理屈じゃない。

 

帰ったら「GO」を見よう。