fusachikoの日記

会社を辞めて、外国へ。

フリーランスの方が人間関係は難しいのかもしれない

フリーランスは人間関係のしがらみがなくて楽そう、自由そう、なんてイメージがある。私もそんなイメージを抱いていた一人だ。

 

前職では編集者として働いていたので、仕事柄フリーのライターさんやカメラマンさんと仕事をすることは多かった。フリーランスならではの大変さやイメージされるほど自由じゃないこともわかっていたつもりだが、それでも私が好きな彼らは、面倒な人間関係や会社の慣習に縛られない、自由な存在に見えた。

 

だが実際に自分がフリーライターの真似事のようなことをしてみて感じたのは、イメージとは真逆のことだった。中でも、人間関係の難しさは予想外だった。

 

まず、編集部(編集者)のスタンスがそれぞれ違う。プロとして敬意を払ってくれる人がいる一方で下請けのように扱う人がいて、こちらの意見を尊重してくれる人がいれば意見なんて求めていない人もいる。

 

ここをわかっていなかった私は、いきなりもめてしまった。良かれと思って気合をいれて書いたら、完全に空回り。そんなことは求められていなかった。ろくなフィードバックがないままに、つまらない原稿に書き直しを依頼されるなんてことがあるとは思っていなかった。

 

そりゃあ、まだ始めたばかりで私が憧れたベテランの彼らのようにうまく立ち回れるわけがない。そんなことは重々承知だが、仕事のコントロールがヘタクソなことや仕事をくれる編集部との関係性ができていないこと、フリーランスという生き方自体に不慣れなこと、そして私の実力不足を差し引いてなお、こんな難しさは想像していなかった。

 

嫌な相手と仕事をしなければいけないことや、納得のいかない顧客のリクエストに対処しなければいけないのは、会社員でもフリーランスでも同じだった。

 

そして、相談できる人や愚痴が言える相手がいないことのしんどさを知った。

 

会社であれば上司や同僚がいた。仕事に行き詰れば上司に相談し、嫌なことがあれば同僚に愚痴をこぼす。そんなこれまで当たり前だったことが、フリーランスでは成り立たない。

 

もちろん信頼できる先輩や元同僚はいる。彼らは私の話を聞いてくれるだろうし、アドバイスだってくれるだろう。だが問題は、「同じ会社」という共通認識がないことだ。フリーランスには、人と共有できる仕事上の人間関係や文化がない。 私がどんなに事細かに説明を説明しようとも、やりとりの温度やスピードは伝わらない。恋愛中に生じたショックな出来事を説明しても、どうしても理解してもらえないあの感覚に似ている。彼と私のことは彼と私にしかわからないように、仕事相手とフリーランスの間で起こったことは当人にしかわからない。

 

さらに言うと、とりあえず同じ部署の隣の先輩に相談する、みたいなことができない。起きた出来事にはすべて自分で対処しなければならない。こう書くと何を当たり前な、という感じだが、実際に経験してみると、これはなかなかのプレッシャーだ。失敗したら自分の評価と収入に直結する。尻拭いをするのももちろん自分。だれも助けてはくれない。 

 

これが、まだ駆け出したばかりの今の気持ち。続けていくうちにどう変わっていくのやら。